人の食習慣・食生活は、変わりゆく時代と共に徐々に変化してきました。元々島国である日本では、日本固有の食材で作られ食べられてきましたが、外国との交流や食習慣・食材たちとの出会いにより、少しずつその文化も変わっていっています。
「和」の中に「洋」が交じりあい、今現在の日本の料理の形があります。特に「食」は、定義を厳密にすることはも難しく、外来のものを和のものとしてアレンジし、食べられ、定着していったものも少なくありません。むしろ今となっては、日本の食材のみで作ってしまうと、かなり偏った食生活になってしまうことでしょう。
しかし、外来のものを使っていたとしてもそれはさしたる問題ではなく、いわゆる「日本風」の食の中にはたくさんの美味が詰め込まれています。日本固有にこだわらなければ、逆に食の世界は広がっていくのです。
例えば、日本の料理に使用される主なだしにしろ、最初は鰹節や昆布だしなどがメインでしたが、今では動物の骨や肉から出されるだしなどもたくさん主流となっています。元々日本は、島国であるということや、仏教などの宗教の影響により、肉類を食する習慣というものがそれほどなかったと言われているので、かなり食文化は柔軟に進化してきたといえるでしょう。
今となっては普通に食べられ、食卓に並ぶことも少なくない海藻なども最初はゲテモノ扱いをされていたと言われています。長い月日を経て、色んな味つけや調理によってだんだん食べられていったのです。そういった日本の美味に対する探究心は、今もなお失われることなく、そのおかげで日本の食習慣・食生活は様々な進化を遂げていっています。先入観に縛られることなく、柔軟な発想と、時代とともに発達していった技術を活用することによって、多種多様の豊かな食材たちを生かし続けているのです。