抹茶の発生は、10世紀の中国の宋と考えられています。日本には約八百年前の鎌倉時代初期、臨済宗の開祖・栄西禅師がこの宋から茶の種子を持ち帰ったのが現在の喫茶文化につながる源だと伝えられています。
室町時代に禅の精神と結びついた茶の湯は千利休へと受け継がれ、一つの文化として大成しました。織田信長や豊臣秀吉ら戦国大名たちに庇護された茶道は親しまれるようになり、抹茶は茶人の間でなくてはならないものとなりました。茶の湯文化はわが国独自の精神文化として、各流派へと伝えられ、現在に至っています。
歴史
日本人の生活に密着する「お茶」の文化
それは鎌倉時代初期にまでさかのぼる
特徴
時の権力者に庇護され独自の発展を遂げた「抹茶」
人々を魅了したその特徴とは
抹茶の最大の特徴は「茶葉を粉にして飲む」ということ。お茶にはタンニンやカフェイン、ビタミン類といった様々な有効成分が含まれており、眠気の除去や利尿作用などの効能もあります。ただし、ビタミンAや繊維質は、お茶の葉には含まれているものの、水に溶けない性質のため、煎茶や玉露などでは茶殻に残ってしまいます。抹茶は茶葉自体を口にするため、これら葉に含まれる栄養素をそのまま摂取することができます。
また、「抹茶は苦いもの」とお思いの方も多いでしょうが、実は渋みのなさが持ち味。煎茶に比べ、うまみの素となるアミノ酸の含有率は高く、逆に渋みの素となるタンニンなどが少ない、まろやかな味わいが特徴です。
製法
連綿と受け継がれてきた伝統の技がなせる
抹茶の持つ唯一無二の香りと味わい
抹茶に使用される葉は、4月から5月にかけて茶畑に覆いをして、お茶の木に日光を当てないように栽培されます。これは日光を遮ることにより、抹茶独特の色や香りを引き出し、うまみ成分を増加させるためです。
収穫を迎え摘まれた茶葉を蒸気で蒸して乾燥させます。玉露や煎茶ですとここに揉む作業が入りますが、抹茶の場合は揉みません。これもまた抹茶の大きな特徴となります。こうして出来上がったものを抹茶の原料「碾茶(てんちゃ)」といいます。
この碾茶を茶臼や粉砕機で挽いたものが「抹茶」となります。
伝統
茶聖・千利休が広めた「禅」の精神としての茶道
鎌倉時代に中国より渡ってきた「抹茶」。それを貴族や武士にまで広めるきっかけとなったのが「茶道」です。茶道とはお湯を沸かし、茶を点て、人に振る舞うまでの過程を総合した芸術で、千利休により大成されました。千利休は若くして茶や禅の原理について学び、織田信長や彼の死後は豊臣秀吉に仕えました。千利休の活躍により抹茶は食文化だけでなく、茶道の一部として宗教的な側面や精神的な側面を持ち合わせる、日本食の中でも独自の地位を築き上げたのです。
FAQ
よくある質問
日本酒はどこで飲めますか?
日本酒・焼酎を取り扱っているお店の情報をコチラにまとめておりますので参考にしていただけたらと思います。
日本酒にはどんな種類がありますか?
日本酒の酒質にて分類すると、吟醸酒・純米酒・本醸造酒と呼ばれる特定名称酒とそれ以外の普通酒の2つ大別されます。
吟醸酒:原料米の精米歩合を60%以下にして、米麹・水・醸造アルコールを原料として造られたもので、吟醸香と呼ばれる果実臭が特徴です。
純米酒:米麹・水を原料として醸造されたもの。醸造アルコールは一切添加しませんので、米の旨味を最大限に生かしたお酒です。
本醸造酒:原料米の精米歩合を70%以下にして、米麹・水・醸造アルコールを原料として醸造されたもの。
普通酒:吟醸酒・純米酒・本醸造酒に属さない日本酒。一般的にメーカー独自で特撰・上撰・佳撰などと銘うっているものやパック酒・カップ酒などがあたります。日本酒はどんな料理に合いますか?
日本酒は日本食(和食)との相性が抜群です。参考までに一例をご案内させていただきます。
甘口のお酒には甘い目の味付けの料理として黒豆、甘露煮のようなものがおススメです。辛口のお酒にはお料理も併せた辛目、塩辛いものとしてからし和え、塩焼きされた魚介類との相性が良いでしょう。参考にお愉しみください。
日本酒製造に使用される米は食用米と違うのですか?
大粒で粒の中心にデンプンの塊である「心白」と呼ばれる部分が多い軟質な米が一般的に日本酒造りに向くといわれています。そのなかでも特に向いているものを酒造好適米と呼びその代表格が山田錦と呼ばれるものです。昭和11年に人工交配にて改良された新品種で、その栽培には昼夜の寒暖差の激しい場所である棚田が適しているためその生産量はきわめて少なく高価なものです。
生酒とはどういうものですか?
通常、お酒は出荷までに2回の火入れを行いますが、1回も火入れを行っていない酒を生酒と呼び、最初の火入れを行わない酒を生貯蔵酒、最後の火入れを行わない酒を生詰め酒と呼びます。特に生酒は1回も火入れを行っていないので、できたての風味を味わえますが、酒質が変化しやすいので保存には注意が必要です。
お酒の賞味期限はどれくらいですか?
日本酒の種類にもよりますが製造年月日より約1年間は美味しくご賞味いただけます。ただしこれは冷暗所で保管された場合であって、光のあたる場所や暖かい場所に置いたままになっていると劣化が進みますのでご注意ください。また開栓後は空気に触れないようになるべくお早めにお召し上がりください。